結婚式
チュレ先生(仲人みたいなもの?)が遅れたので、式は予定の午後5時を少しまわったところで始まった。さっきまで入れ替わり立ち代わりうろうろしていたお客さんたちがさーっと引いて、みんな式場の方に入っていった。わたしもヘルパーさんに連れられて式場の入り口へ。父親が待っている。前にはプーも入場の合図を待っている。

うちの母親とプーの母親が一緒に入場して祭壇のろうそくをともす。向き合ってお辞儀をし、お客に向かってお辞儀をして着席。親の席は祭壇の側、客席の前に別に設けてある。その次にプーが入場。一人でチュレ先生の待つ祭壇の方に歩いていく。後日プーは「すっごく長い距離に感じた」と言った。プーが前まで行き着いて、ワーグナーの結婚行進曲が流れ出し、最後にわたしと父親の入場。
みんなの視線が集まってるんだろうなあと思うけど、相変わらずうつむき気味のわたしにははっきり見えない。それよりもドレスのすそが気になる。ヘルパーさんに言われていたので、ドレスの前を蹴飛ばすように歩いた。でないと踏んづけてしまうのだ。
なんとかつまづかずに到着。プーのところまで来て、プーが父親にお辞儀した。わたしは父親の手を放してプーの手に手をのっけた。前々日の練習の際に「ここで握手してくださいね」と言われた父親はぢーっと握手を待っていたのだが、実はこの握手、父親がしかけなければならなかった、とわかったのは式の後。プーもぢーっと待っていた。結局握手なしで式は進む。

父親は席につき、わたしとプーは手をつないでチュレ先生の待つ祭壇への階段をのぼった。挨拶した後、チュレ先生のお話が始まる。わたしはどこで何を言わなくちゃいけないのか、ぢーっと注意深く聞いていたので少しも感極まる余裕がなかった。ちなみにここでわたしが言ったのは「ィエーッ、クロッケ ハゲッスムニダ(はい、そう致します)」を三回。
しかし、このチュレ先生、遅れてきただけではなくいろいろとしてくださった。ぢーっと耳を傾けていると「新婦マチコ氏」と連呼している。似たようなもんだからまあいい、って問題じゃないだろう・・・おいおい。一回だけこそっとプーがささやいたので「ミチコ氏」になったが、あとはずーっと「マチコ氏」で通された。おかげで後日ビデオを見ると、わたしの不満そうな表情がありありと・・・
更に「・・・二人の結婚が成立したことを報告します」などと言うところで、日付を間違えた。「29日」というべきところで「28日」と言ってしまい、韓国語がわからない日本人側には問題なかったが、韓国人のお客さんの間で「にじゅうはち・・・?」というざわめきが。
それはともかく、このチュレ先生のお話はなかなか短くて簡潔にまとまってて評判がよかった。普通はもっとだらだら長ったらしくしゃべるらしい。
チュレ先生のお話の後は、友達が祝歌を歌ってくれた。もちろん前々から話しておいたのだけど。彼女とはペテルブルグで知り合った。プーと同時期にペテルブルグにやってきてペテルブルグの音楽院で声楽を勉強して今回帰国。わたしは初めて聞いたけどやっぱりとっても上手だった。
ぼおーっと聞いているうちにちょっぴり気持ちがほぐれたのか、じわぁーっと涙が出てきた。この日涙が出たのはこのときだけだった。
歌も終わって両家の両親に挨拶をし、新郎新婦退場。プーはすべてが終わって余程ほっとしたのか、えらい早足で歩くので、わたしは何度もドレスのすそを踏んづけてけつまずきそうになった。出口の手前でプーの友達がクラッカーを持って迎えた。
これで式の中身は全部おしまい。お客さんたちはとなりの食堂の方に移って食事をはじめる。わたしたちと親族・友達はまだ残って写真撮影。それぞれの両親と、家族と、友達と、親戚と・・・というふうにたくさん写真を撮るのだけど、わたしの方の友達・親戚が少なすぎて、なんか結局全員かき集めて写った。
ケーキカット
写真撮影を終えてわたしはばたばたと控え室へ。ドレスを着替えてケーキカットしなくてはならないのだ。ドレスは例のピンクのぴらぴら。実はこれあんまり評判がよくなかった。だと思ったんだな・・・まあ終わったことはどうでもよい。

壇上にわたしとプー、ブモニムとうちの両親が上がって、ケーキに入刀。このケーキ、模造で、ナイフいれるところだけ3センチくらいバターがつめてある。なかなか笑えた。ケーキカットはあまりにも瞬間的で、日本でよくあるように写真撮る人用にぢーっとポーズとったりしないので、カメラ構えてた友達は「撮り損ねた」とぼやいていた。
シャンパンで乾杯の音頭をとって、その後それぞれのテーブルをまわって挨拶。ぜんぜん知らない人ばっかりだけども、とりあえず一所懸命お辞儀をしてまわる。すべてのテーブルを周りまわった後、やっと食事をしに別室へ。
ブモニムとうちの両親とわたしとプーには別室で食事が用意されてあった。でもブモニムはお客さんに挨拶しなくてはならないので、なかなか抜けれない。やっとブモニムが来られて食事が始まった、と思ったらペべクの準備するようにと言われて、スープと肉一切れ食べたところで席を立つはめに。気が高ぶってたからあんまりお腹すいてなかったけど、でも食事もったいなかった・・・